三連休 鉾岳 紅葉 大長征ルート

7-8年前かな、何ともない静かな季節に初めてここへハイキングで登って、頂きから鹿川集落を長い間見下ろして、帰りにヤマボウシの実を初めて食べた、忘れられない旅をした。

山を登るという楽しさに憑りつかれていたその頃の私と、今の私は、同じ山に居て同じ頂上を目指しても、何も交わるところの無いように思う。
もうあの頃のように、山の中に居て、気持ちが溢れたり、心の中で花が咲いたり、しんとした時の中に佇んだり、できなくなってしまった。

それでもやっぱりこの頂に立つと、いつだって変わりなく広がる景色に心は踊るし、こうして思い返すとまた何度でもあの場所に行きたいと思う。
鉾岳自体がとても好きなのだろうな。下山中に左膝のばくだんが暴発したけれども。

山頂に居合わせたカップルの方に撮っていただきました




DAY2

6:00 日之影出発
8:00 登山口出発
8:45 取り付き着
10:20 トラバースあたり
12:35 雌鉾岳全員着
14:05 取り付きへ下山
15:00頃 駐車場へ下山

計12ピッチの長い長いルート。夫がオールリード。初めて訪れたときは迷って渋いルートを登ったこともあり、5時間半の長い登山だった。今回は3度目の大長征、鉾岳初登山のトラッド女史Yちゃんと3人でマイペースに登って4時間。
アプローチも登攀もとても短く感じた。(アプローチは置いといて)もっともっと登っていたかった。
それなりにいいペースだったと思うけれども某レジェンドチームがトラバース後にぶち抜いてイカレマシタ。いろいろとスゴイです。
恐怖のトラバースを終え、9ピッチ目のスラブはなかなかシビアで、まるで太極拳でもしているかのようなスロウモーションクライミングだった。岩に張り付いてじわりじわりと動きながら、一体何のスポーツをしているのだとひとりなんだか笑ってしまった。そのほかのスラブは忍び寄る「足が滑る」という恐怖から逃げるように、ただただリズムよく乗り切るのみ。足の運びが止まってしまったらそこで急に次の一歩が出なくなる不思議。たま~に出てくる顕著なホールドは、ゲームの中の無敵アイテムさながら、テンションが上がってついつい握り込んでしまう。
最終ピッチはロープの流れが悪いけれども、ご褒美のように楽しく登って、雌鉾岳の上に立つ。
2度懸垂をして、下降路に降り立ち、ここからはスラブの登攀とは正反対の、フィックスロープを伝って崖を降りる腕パンプコースへ。とりつきへ戻ってきたころ、私の左膝が大変なことになっちゃってご迷惑をおかけしました。










日之影温泉にゆっくりつかり、疲れをいやして、キャンプ場へ戻る。飢えていた私たちは売店に陳列していた鳥もも肉とお団子を穴が開くほど眺めた。
ビールを飲みながら鍋の準備をして、Yちゃんのダッチオーブンでぎゅうぎゅう焼きを食べ、ボルダラーお二人と合流して、昨日はしなかった焚火で締める。
小川山で培った焚火力であっという間に薪に火が付き、燃え切ってしまうので、ヘッデンつけて追い薪を探した。乾いている薪と乾ききれてないソレの煙の出方の違いには改めて思い知らされた、ゲホゲホ。(ちなみに日之影キャンプ村には薪一束100円で売っていましたYO)